So-net無料ブログ作成
検索選択

国際ロールシャッハ&投影法学会 第20回日本大会 [心理テスト]

★ 国際ロールシャッハ&投影法学会第20回日本大会大会長の中村紀子先生からのお誘いにより,同大会に参加してきました.

★ 私の参加目的はロールシャッハより,最近欧米で開催される国際的学会でヴァルテッグ・ツァイヒェン・テストに関する発表を活発にされているローマ大学教授のDr.Alessandro Crisi に会うことでした.

★ 彼が,日本でヴァルテッグ・ツァイヒェン・テストを臨床実務で実際に使っている研究者を紹介して欲しいと大会長の中村先生に依頼してきたそうで,その結果,中村先生から私に紹介したいとの声がかかったのでした.

★ 大会では彼を紹介され,私が持参した資料を提供し,彼の資料を受け取りました.

★ また彼の講演,「ワルテッグ描画テスト~スコアリングと解釈の新しい方法~」(The Wartegg Drawing Completion Test: A New Methodology of Scoring and Interpretation),および彼が登壇するシンポジウム,「治療的アセスメント結果の(セラピストとクライエント間の)共有によって,テストを生かす」(Bringing Tests to Life in Collaborative/Therapeutic Assessment)を聴講してきました.

※:彼は,「ワルテッグ描画テスト」ではなく,「ワルテッグ描画完成テスト」と名付けているようです.

★ シンポジウムのテーマは,既に15年以上も前から放送大学心理臨床研修会をはじめ,私が講師をしているセミナーで私も主張してきたことですので特に感想はありません.

★ 彼の講演については,スコアリングの基となる8つの枠(升・箱)の意味付けや解釈法の信頼性・妥当性はともかく,いずれ誰かが研究を進めるべきものと思いました.

★ 但し,8つの枠にあるツァイヒェンを含めた枠が表す意味,枠と枠との関係性については,あくまでイタリア文化圏内での使用を前提とした場合に限定されるものと感じました.

★ 例えば彼が,「この枠は女性を表し,この枠は男性を表す.またこの枠は,セックス面を表す」と解説した枠は,日本文化の中で育ち生活をしている多くの人たちには当てはまりません.

★ 日本では彼が女性を表すとした枠は,セックス面を表すとした枠と深い相互の関係性を示し,感情面における原因結果関係,刺激反応関係として表される場合が非常に多くなります.

★ 従って私が使っている分析法では,彼が女性を表すとした枠が原因または刺激となり,セックス面を表すとした枠が結果または反応として表現された時の中に,前者がセックス刺激,後者がセックス反応として表れる可能性がある,ということにしかなりません.

★ なお彼はこの他,統合失調症の描画,人格障害の描画,8つの枠全体を使って1つの絵画として完成させた描画を事例として紹介していました.

★ もう少し時間があれば,統合失調症急性期の描画(彼はただ統合失調症の描画と紹介,急性期の描画との査定は,私の査定)と重度発達障害の描画の見分け方,および事例として紹介した人格障害の描画を人格障害と査定した根拠(紹介のあった描画自体は,極めて感性的な方の描画というだけで,人格障害を表すほどのものではなかった.従って描画を前提に被験者との口頭での遣り取りを含めて人格障害と査定したはずなので,その遣り取りの説明が必要)の解説,8つの枠全体を使って1つの絵画として完成させた被験者との遣り取りの紹介があっただろうことを思うと,少し残念な気もしました.

★ ちなみに8つの枠全体を使って1つの絵画として完成させた被験者は,可能性として高いのは記憶の再現表現で,もしそうだとしたら「もう1回,別のものを描いて下さい」と教示して描かれた描画が査定の対象となり,記憶の再現表現でなければ被験者は何らかの課題に直面し,あるいは症状に苦しんでいる可能性が高いはずのように感じました.



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:資格・学び
メッセージを送る