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多くの方から再出版のご要望を頂きました=こころを映す鏡の世界へ [うつ病とアートセラピー]

多くの方から,もう10年くらい前に悠書館から出版された拙著「こころを映す鏡の世界へ」再出版のご要望を頂いてきました.
かつて日本では幻の心理テストと言われていた「置きテスト」の解説や,分析派の創作コラージュ療法を用いて行った入院中のうつ病患者さんの社会復帰成功事例,レオナルド・ダ・ビンチの最後の晩餐を臨床心理学とりわけ深層心理学の視点を用いて解説する……,といった内容が口コミで伝わったからのようです.
一部改訂した原稿(WordファイルとPDFファイルになっています)は完成しているのですが,その先にはまだ進んでいません.
電子書籍化の検討を真剣に始めてみたいと思いました.
  ※:2~3年前にも同じように思ったことがありました.全く進めていなくて大変申し訳ございません.
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うつ病と心理療法⑥ [脱線話題です.本当の自殺者数は……?] [うつ病とアートセラピー]

★食事を摂りながら何気なくテレビを観ていました.某ニュース番組でアナウンサーが「2009年の交通事故による死者は,4千人台に減少したようです」と伝えていました.「飲酒運転の厳罰化や後席シートベルトの装着義務化,社会全体を挙げての交通安全運動の活発化が交通事故死を減少させたものと思われます」とその理由も解説していました.

★その数日前,偶然インターネットで法務省平成20年版犯罪白書を観ました.
その中で白書は,「平成20年度の殺人認知件数は1,119件,検挙数1,157件,検挙率96.5%.警察統計年報.前年比8.4%増」と伝えていました.

★最近の報道機関によると,昨年の自殺者数は3万2千~3千人と伝えています.

★さて日本の統計に表れる死者数には,自然死・病死・事故死・殺人死の他に,死因不明の身元不明死者数があります.その数ここ数年,何と毎年約15万人.

★普通,人が自分の意志によらない理由で死を迎えなければならなくなった場合,例えば登山などで道に迷い下山できなくなってしまった場合や,急に体調を崩し,どこかで倒れてしまった場合など,自分の身元を隠す必要はないと思います.運転免許証やキャッシュカード,健康保険証や名刺などを,わざわざ自ら取り除いておくメリットが考えられないからです.

★ということは,死因不明・身元不明の死者の方々は,元々「身元を隠そうとする意志が働いていた死」という可能性があるのです.その「身元を隠そうとする意志が『死者自身の意志』なのか,『死者以外の者の意志』のどちらなのか」という問題は別にしてもです.

★ところでこの場合,もし『死者自身の意志』であれば死因は『自殺』の可能性が高く,『死者以外の者の意志』であれば死因は『殺人』の可能性が高くなるように思います.
前者の場合,自殺者は「残された方々に(精神的ショックを含めて)迷惑をお掛けしたくない」,あるいは「自分の自殺を誰にも知られたくない」といった理由などが考えられ,後者の場合,殺人者は犯行そのものの隠蔽および,もし発覚したとしても,少しでも捜査が困難になるようにしておくといった理由が考えられます.

★そこで改めて,冒頭に挙げた殺人認知件数約1,100件,自殺者約32,000人,死因不明・身元不明者約150,000人の中身を考えてみたいと思います.

★私は統計の能力は全くありません.従って以下のように考えるのは正しくないかもしれませんが,一応,私の考えを記させて頂きます.

★死因不明・身元不明死者数≒殺人事件被害者数+自殺者数とします.
 死因不明・身元不明死者数≒150,000人
     殺人事件被害者数≒  1,100人
     自殺者数≒ 32,000人
 殺人事件被害者数と自殺者数との比は,約1,100:32,000
     つまり,約1:30 です.
 殺人事件被害者数:自殺者数約150,000人を上記の約1:30に分けると,
殺人事件被害者数   約5,000人.
自殺者数     約145,000人.
……となります.従って本当の自殺者数は確認済みの3万2千人+推定の14万5千人=17万7千人ということになります.

★計算が間違っていたら大変申し訳ないのですが(私は本当に,数字には弱いのです),場合によっては自殺者は,毎年3万人超というような問題ではなく,17~8万人超という,大問題の可能性があるのです.

★冒頭,交通事故による死者数が4千人台までに減少したことを伝えました.ここ数年,毎年1万人をはるかに超していたのにです.
 このことは,社会全体が「何とかしよう!」という気持ちを持って真剣に取り組みを始めれば,「何とかなる」ということを示しているように思います.
 今年は特に,うつ病問題に全力を挙げたいと改めて思う機会になりました.
もちろん,創作コラージュ療法を中心としたクリエイティヴ・セラピーと,認知行動療法とを有効に使い分けることによってです.
                         

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うつ病と心理療法⑤ [うつ病と音楽療法・創作コラージュ療法] [うつ病とアートセラピー]

★私は「うつ病と心理療法③の,『ナースがうつ病患者の方の手の平に1回分の抗うつ薬などを乗せ~』といった状態の患者の方」に,電気けいれん療法以外の方法を用いてコミュニケーションを図ることができる状態にまで回復させる方法はないだろうか,つまり創作コラージュ療法をはじめとするクリエイティヴ・セラピーで対応できるまで回復を図る方法はないだろうか,ということで,現在の音楽療法士が行っている「音楽療法以外の音楽療法」や「香り療法」に注目して研究を始めたことを記しました.

★どうして「音楽療法」や「香り療法」に注目したかというと,
 1)人は「熟睡中・爆睡中でも『聴覚は活動』し続けている.
 2)人は「熟睡中・爆睡中でも『臭覚は活動』し続けている.
 ・・・という理由によるものです.

★ヒントになったのが最近の火事報道です.
 最近のテレビニュースを観ていると,「家屋○○平方メートルを全焼し,中から焼死体が~」という報道が多くなったような気がします.昔のラジオニュースでは,「家屋○○坪を全焼しましたが,家の人は逃げて全員無事でした」という報道の方が多かったように思います.
 この違いは,昔の家屋は木材と土壁など自然建材によって建てられていたため,燃え始めると建材がビシッバシッ,バシッバシッと比較的大きな音を立てました.その音や「火事だ,逃げろ!」という声に目を覚ましたり,焦げ臭い臭いに目を覚まして充分逃げ出すことができたからこそ,火災件数が多かった割には焼死が少なかったのではないかと思います.
 それが最近の家屋は新建材によって建てられ比較的静かに燃え,また同居家族が少ないため「火事だ,逃げろ!」と声をかける人が少なくなったため「音や声」で目を覚ます機会が減ったこと,自然建材による有毒ガスの発生などのため逃げられなくなってしまったため焼死者が多くなったように思えてなりません.

★つまり人は本来,熟睡中・爆睡中でも家屋が燃える音や「逃げろ!」という声,焦げ臭い臭いを感じることができる能力があったからこそ,数千万年に渡る弱肉強食の世界を生き残って現在に子孫を残すことができた訳です.熟睡中・爆睡中でも自分を襲って食べようと近づいてくる強食者の足音,臭いに気づいて目を覚まし,安全なところに逃げたり身を隠す能力があったからこそ,弱肉強食の時代を生き抜いてこれた訳です.
 だとしたら,「うつ病と心理療法③の,『ナースがうつ病患者の方の手の平に1回分の抗うつ薬などを乗せ~』といった状態の患者の方」でも,聴覚と臭覚は活動しているはずで,この聴覚と臭覚に有効に働きかける方法があれば,必ず反応を始めてくれるはずだ,という仮説に思い至った訳です.
                          (つづく)

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うつ病と心理療法④ [音楽療法と創作コラージュ療法] [うつ病とアートセラピー]

★前回の「うつ病と心理療法③」で,電気けいれん療法について記しました.電気けいれん療法自体は重度のうつ病患者の方々に対する最も有効な療法の1つとしてアメリカの医療機関で盛んに行われている治療法です.

★ただ電気けいれん療法は全身麻酔で行われますので,相応の設備と人材が揃っている医療機関でしかできませんし,やはり「電気けいれん療法」という,いかにも恐ろしげな名称が付けられた治療法を選択するには抵抗感を抱く患者や家族の方々が多くなるのは当然のことです.

★そこで「うつ病と心理療法③」で紹介した前者の例,「ナースがうつ病患者の方の手の平に1回分の抗うつ薬などを乗せ~」といった状態の患者の方に,電気けいれん療法以外の方法を用いてコミュニケーションを図ることができる状態まで回復させる方法はないだろうか,つまり創作コラージュ療法をはじめとするクリエイティヴ・セラピーで対応できる状態にまで回復させる方法はないだろうか,という研究に取り組み始めてみました.

★その過程で候補として挙がってきたのが,「音楽療法」とアロマテラピーを含む「香り療法」でした.
 但しここで候補として挙がってきた「音楽療法」というのは多分,現在,日本の音楽療法士が行っている音楽療法ではありません.
 現在,日本の音楽療法士が行っている音楽療法は,音楽大学の教職員の方々が中心となって養成して行ってる療法です.元々音楽大学には臨床家はいませんので,音楽療法士を養成しているのは臨床家ではなく音楽家です.それも,ほとんどの教職員の方々がクラシック音楽家です.

★音楽CDやDVDの販売店に入ると,所狭しとばかり「癒しの音楽集」とか「こころが安らぐCD集」といった商品が売られています.その中には「ストレスに聞くクラシック音楽全集」といった類のものもありました.

★ただ,実験心理学の見地からすると,「万人の癒しになる音楽や楽器の音」というものはないことになっています.
 例えば静かなクラシック音楽ファンの方々の多くは,ハードロック音楽は耳障りな雑音にしか聞こえないと言われています.逆にハードロック音楽ファンの多くは,静かなクラシック音楽は退屈さでストレスを増す不快なものでしかないと言われています.

★つまり実験心理学の見地からすると,音楽というものは「聴き手の好みに合った音楽がこころに心地よく届き,好みに合わない音楽は不快な雑音に過ぎない」ということなのです.
 静かなクラシック音楽ファンは静かなクラシック音楽を聴いた時に「こころに癒し」を感じ,ハードロック音楽ファンはハードロック音楽を聴き音楽に合わせて身体を踊らせた時に「こころに癒やし」を感じるものなのです.
※:その昔,ビートルズがエリザベス女王から「その音楽で多額の外貨獲得に貢献し,イギリスの国益にとって極めて功があった」という理由で叙勲されることになった時,「ビートルズの(あんな低俗な音楽を音楽と認めて)叙勲するということなら,私がエリザベス女王から戴いた勲章は返却したい」と勲章返却を申し出た叙勲者が何人も現れました.
 この勲章を返却した方々が「こころの癒し」を求めた時,ビートルズの音楽を聴かせたとしたら,ストレスが極限に増大することはあっても減少することは絶対に有り得ません.
 音楽とヒトのこころの関係とは,本来このようなものなのです.

★という訳で,私たちは現在の音楽大学の教職員が中心になって養成している音楽療法士の知見を応用・援用するという方法以外の音楽療法手段研究を進めることにならざるを得なくなってしまったのです.
                    (つづく)

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うつ病と心理療法③ [電気けいれん療法と創作コラージュ療法] [うつ病とアートセラピー]

★軽度や中度のうつ病の場合は抗うつ薬の投与,アート系セラピーや認知行動療法など心理療法による対応が行われることになります.

★ところが重度のうつ病の場合,例えばボォ~とした感じで余り反応がなく,ナースが患者の手の平に1回分の抗うつ薬を乗せ,もう一方の手に水入りコップを握らせた上で「はい,お薬を飲みましょうね」と言いながら患者の手に添えたナースの手で口に誘導して口中に抗うつ薬を含ませ,「はい,今度はお水で飲み込みましょうね」と言いながら同じように患者の手に添えたナースの手でコップを口に運んで飲ませなければ服薬もできない状態のうつ病患者の方々や,給与が銀行振込の勤務先に永年勤めていて,本人の預金通帳には数年分の勤務先からの給与振り込み記録が勤務先名と共に記帳されているのに,「私,本当にココへ勤めていたのですか?」と質問してくるほど,乖離症状を示しているうつ病患者の方々に行われて効果を挙げている治療法に「電気けいれん療法」があります.

★電気けいれん療法とは,大学病院など相応の設備と人材が揃っている医療機関で行われている療法で,患者の頭部に電気けいれん療法用の電気端子を取り付け,片腕をちょうど血圧を測る時に腕に巻いて空気を入れると腕を締め付けるような器具で片腕の血流を止めます.
 その上で全身麻酔をしてから電気けいれん療法用の機器本体のスイッチを入れ,オーディオ類のボリュームを上げるように電圧を上げていきます.
 すると血流を止めてある片腕の先端の方には麻酔薬が届いていないので,電圧が一定のレベル以上になると軽いけいれん状態を示すようになります.
 そのけいれん状態を診ながら,精神科の医師が最適な電圧量に調整しながら治療を進めていきます.

★電気けいれん療法は全身麻酔の上で行われますので,うつ病患者の方々は全く苦痛なく治療を受けることができます.

★また,その全身麻酔が覚めるとうつ病患者の方々は,「私って,どうかしたのですか? どうして私がココ(医療機関の入院病室)にいるのですか?」といった質問をしてくるほど,一時的に記憶はなくなっていますが,それと同時にコミュニケーションも取れるようになります.

★そこでこのコミュニケーションが取れる間に心理療法を行って,うつ病を治してしまおう,という取り組みがなされる訳です.

★電気けいれん療法で麻酔から覚めた後というのは,抗うつ薬を飲む意欲もナースと会話を交わす意欲もない状態から,一応コミュニケーションを取ることができる状態になるのですが,思考活動などが通常の状態まで戻っている訳ではありません.
 そこでこのような時に有効になってくるのが,認知行動療法のようにうつ病患者の方々の思考力に期待するセラピーではなく,創作コラージュ療法などをもちいたクリエイティヴ・セラピーになるのです.

★創作コラージュ療法を用いたクリエイティヴ・セラピーは,電気けいれん療法が行われた翌日の日を選んで行われるのが普通です.そのため,重度のうつ病患者の方々にアート・セラピーが有効ということに理解のある主治医の先生方との緊密な連絡を保ちながら行われることになります.

★次回(その時その時の気分次第で記したいと思ったことを記していけるのがブログだと思っていますので,他のことを記したければ記したいものを記すことになります.従って必ずしも次回,という訳にないかないかも知れません.その際はご諒承頂きたいと思います),そのような重度のうつ病患者の方々のセラピーとして用いられる時の創作コラージュ療法とクリエイティヴ・セラピーについて記したいと思います.


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うつ病と心理療法② [認知行動療法とクリエイティヴ・セラピー] [うつ病とアートセラピー]

★先日の「うつ病と心理療法①」で,私は下記のように記しました.

     *****     *****     *****
★確かに認知行動療法は,欧米ではうつ病や不安障害などに対する有効な心理療法として知られています.私もその有効性を認めています.

★但し私は,日本文化の中で育った方々のうつ病に対しては,認知行動療法が『最適な心理療法』とはどうしても思えません.

★アメリカの大学院で,臨床心理学を専攻している大学院生教育用として作られている「アメリカ心理学会心理療法DVDシリーズ」の中の,「うつ病治療のための認知行動療法全5巻シリーズ」を観ても,アメリカの認知行動療法第一人者とも言われている他の学者の「うつ病治療のための認知行動療法DVD」を観ても,アメリカのうつ病のクライエントたちはセラピストの前で活発に話しをするのです.そして気持ちや状態を言葉でよく表現できるのです.言葉で整理できるのです.

★私たちが日本で接しているうつ病のクライエントたちの話し具合,表現状態,整理状態とは雲泥の差があるのです.
 「さすが小さい頃から言葉で自己主張することを教えられてきた文化に育ったアメリカのクライエントたちは,日本で育ったクライエントたちとは言語表現力が違う,言語整理力が違う,だからこそアメリカのクライエントたちには認知行動療法が有効なのだろう」と感じてしまうところが多々見当たるのです.

★私はやっぱり日本では,うつ病のクライエントたちに最も有効な心理療法は,創作コラージュ療法や,その他のアート系のセラピー・ツールを用いたクリエイティヴ・セラピーのような気がしてなりません.

★ちなみに上記イギリスの保健省の試算でも,認知行動療法によって回復するうつ病の方々は,50%と見込んでいます.つまり逆に言えば,うつ病の方々の50%は,認知行動療法では回復しないとイギリスの保健省が見込んでいるのです.
 
★またアメリカのうつ病治療に認知行動療法を用いて改善したとする紹介事例の多くは,クライエントが博士・修士・学士などの称号を持つ,いわゆる高学歴層の方々です.言語での表現力に優れた層の方々のように思います.
 このような点からも,言葉によるコミュニケーションより,以心伝心的コミュニケーションに慣れ親しんできた,とりわけ中高齢のうつ病の方々への最適な心理療法が認知行動療法とは,どうしても私には思えません.
 ※:「認知行動療法がうつ病クライエントに対する『最適な心理療法』とは思えません」ということであって,「認知行動療法がうつ病クライエントに対する心理療法として『有効な心理療法の1つ』です」という点については,特に異存はありません.
     *****     *****     *****

★ここでは認知行動療法が日本では不向きなのではないか,といった点に力点が置かれ過ぎているような記し方になってしまっています.私の記し方が悪かったのですが,私が記したかった趣旨を改めて記したいと思いました.

★実は私のセラピー・オフィスで,うつ病をはじめとするクライエントたちに用いるセラピー法は,精神科や心療内科クリニックの医師からの紹介であったとしても直接来所の方々であったとしても,心理アセスメントの結果をクライエントに説明した上で合意したセラピープランによります.
 その結果,創作コラージュ療法を主としたクリエイティヴ・セラピーを用いることになるのが約80%,認知行動療法を用いることになるのが約20%です.

★創作コラージュ療法を主としたクリエイティヴ・セラピー採用することになるのか,認知行動療法を採用することになるのか,その「(はやりの言葉で言うと)仕分け? 基準」になるのが,うつ病の症状の出方とクライエントのパーソナリティ,好みの状態です.

★例えば思考の混乱状態を呈していて,「はい」とか「いいえ」といった応答はできても,考えながら,あるいはまとめながら話さなければならないことにはほとんど応じられない重いうつ状態の時や,元々言葉で表現することが苦手なクライエント,内気あるいは無口なクライエントの場合は創作コラージュ療法を用いるクリエイティヴ・セラピーを主としたセラピープランを勧めることになります.

★それに対して思考状態が比較的良好に保たれていて,考えながら,あるいはまとめながら話すことができ,描画やコラージュなどの創作事の苦手なクライエント,嫌いなクライエントは認知行動療法を主としたセラピープランを勧めることになります.
 あるいは非常に活発な多弁型のクライエント,つまりインテーク面接時や心理アセスメント時に,セラピストが言葉を挟むタイミング探しに苦労をするほど機関銃のように話し続けるクライエントの場合は,認知行動療法を主としたセラピープランを勧めることになります.

★その結果が前述のような,クリエイティヴ・セラピー約80%,認知行動療法約20%といった数値になっているのです.

★そこで全体としては,日本では認知行動療法よりクリエイティヴ・セラピーの方が向いているのではないか,ということを述べるのが趣旨だった訳です.

★なおクリエイティヴ・セラピーはコラージュだけではなく絵画や陶芸をも用いることがあるのですが,絵画や陶芸ではなく特にコラージュに力を入れている理由は以下によるものです.
1)まず陶芸は,時間がかかります.そのためいわゆる森田神経症と呼ばれるようなクライエントの場合を除き,採用しません.
2)絵画を得意として積極的に絵画セラピーを望む人は,ある調査によると日本人の約7%だそうです.比較的得意という人の約31%を含めても40%に充ちません.
 残りの約60%のうち約30%の人が,医師や教師のような人から強制されれば従うが,できれば描きたくないと応え,更に残った約30%の人は,絶対に描きたくないと応えています.
 セラピーはクライエントの能動的姿勢・積極的姿勢が必要です.
 従って絵画では,クライエントの約7%の方々にしか効果が認められない可能性があることになります.
3)これに対してコラージュは,約90%の人が能動的・積極的姿勢で創り始めます.
 従って約90%に有効と選ぶか,約7%に有効を選ぶかといった比率上の問題で,コラージュに力を入れることになる訳です.

タグ:うつ病
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うつ病と心理療法① [うつ病とアートセラピー]

★2009年11月17日(火)から朝日新聞の朝刊で,「欧州の安心 心を癒やす」が掲載されました.3日間連続掲載の企画だそうで冒頭「心の病は国の損失」と大見出しがありました.また中見出しに,「イギリス 希望者全員に心理療法」とありました.

★大見出しに続いて「心の病に悩む人を一人でも減らそうという取り組みが,欧州で進んでいる.国民の福祉を考えての政策だが,背景にあるのが『費用対効果』の発想.心の病による求職を減らし,障害給付金など社会保障費の支出削減を狙う.国と国民,両者の幸せにつながる『うつ病対策』や『復職支援』など,英国,オランダ,デンマークの実例を3回に分けて紹介する」(岡崎朋子)
 と掲載意図を説明しています.

★以下,掲載文の抜粋です.
 英国では,軽症も含めれば6人に1人がうつ病や不安障害に悩んでいるといわれる.労働党が05年の総選挙であげたマニフェストに基づき,国は「心の病」への対策を政策課題の一つに決定.昨年から心理療法を希望するすべてのうつ病と不安障害患者に,国が治療を提供する「心理療法アクセス改善(IAPT)プログラム」を導入した.~(略)~

 ~(略)~さらに04年には,英国の医療の方向性を定める国立の診療評価機構が「うつ病や不安障害患者への心理療法(認知行動療法)は,薬物療法と同じ効果があり,再発防止効果はより高い」とする指針を発行.国は,この指針を導入する必要にも迫られていた.

 保健省が昨年から導入したIAPTは,全国152カ所の地方組織を拠点に,認知行動療法が行える心理士を養成し,患者に治療を提供するものだ.計画では3年間に計3億900万ポンド(約460億円)を投じ,心理士3600人を養成.新たに90万人が治療を受け,半数が回復すると試算した.

 治療の対象は,成人の軽~中度のうつ病と不安障害患者で,4~20回の心理療法と栄養指導を組み合わせる.抗うつ薬などの薬は原則,使わない.

★この朝日新聞の記事だけではなく,NHKの報道などでも「うつ病治療に有効な心理療法として,認知行動療法」が取り上げられています.また最近では日本の大学病院などでも取り入れられるようになりました.

★確かに認知行動療法は,欧米ではうつ病や不安障害などに対する有効な心理療法として知られています.私もその有効性を認めています.

★但し私は,日本文化の中で育った方々のうつ病に対しては,認知行動療法が『最適な心理療法』とはどうしても思えません.

★アメリカの大学院で,臨床心理学を専攻している大学院生教育用として作られている「アメリカ心理学会心理療法DVDシリーズ」の中の,「うつ病治療のための認知行動療法全5巻シリーズ」を観ても,アメリカの認知行動療法第一人者とも言われている他の学者の「うつ病治療のための認知行動療法DVD」を観ても,アメリカのうつ病のクライエントたちはセラピストの前で活発に話しをするのです.そして気持ちや状態を言葉でよく表現できるのです.言葉で整理できるのです.

★私たちが日本で接しているうつ病のクライエントたちの話し具合,表現状態,整理状態とは雲泥の差があるのです.
 「さすが小さい頃から言葉で自己主張することを教えられてきた文化に育ったアメリカのクライエントたちは,日本で育ったクライエントたちとは言語表現力が違う,言語整理力が違う,だからこそアメリカのクライエントたちには認知行動療法が有効なのだろう」と感じてしまうところが多々見当たるのです.

★私はやっぱり日本では,うつ病のクライエントたちに最も有効な心理療法は,創作コラージュ療法や,その他のアート系のセラピー・ツールを用いたクリエイティヴ・セラピーのような気がしてなりません.

★ちなみに上記イギリスの保健省の試算でも,認知行動療法によって回復するうつ病の方々は,50%と見込んでいます.つまり逆に言えば,うつ病の方々の50%は,実は認知行動療法では回復しないとイギリスの保健省が見込んでいるのです.
 
★またアメリカのうつ病治療に認知行動療法を用いて改善したとする紹介事例の多くは,クライエントが博士・修士・学士などの称号を持つ,いわゆる高学歴層の方々です.言語での表現力に優れた層の方々のように思います.
 このような点からも,言葉によるコミュニケーションより,以心伝心的コミュニケーションに慣れ親しんできた,とりわけ中高齢のうつ病の方々への最適な心理療法が認知行動療法とは,どうしても私には思えません.
 ※:「認知行動療法がうつ病クライエントに対する『最適な心理療法』とは思えません」ということであって,「認知行動療法がうつ病クライエントに対する心理療法として『有効な心理療法の1つ』です」という点については,特に異存はありません.


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